[61] 無題

2007/11/24 (Sat.) 20:10:16

 

いよいよ近付いてきた終わりに僕はもうカタカタと震えることしか出来ない。

どうしようどうしようどうしたらいいんだろう!!

 

「ねぇねぇ答えてよ応えてよ教えてよシュナイゼル!!」

 

絶叫をして柔らかに波打つ銀色の頭髪を掻き毟ってロイドはその死体に取り縋った。

 

そうだ死体なのだ。

 

屍、亡骸、いい方はなんでもいい。

これは息絶えた肉だ。

ロイドが愛した美しい主、最愛の恋人、ブリタニアの宰相閣下。

血を流し青褪めてなおもろうたけて美しい肉隗。

 

「シュナイゼルシュナイゼルシュナイゼルシュナイゼル!マイン・ハイネス!!」

 

狂ったようにそれを指し示す音を連呼しても答えは返らない。

いつだとて高雅に笑んで「なんだい?ロイド」と麗しい響きで君は返してくれたのに!!

これはなんだろうなんて酷い悪夢なんだ!

早く覚めなくては。

早く僕を起こしてよ!

私を放って寝るなんてといってつねって拗ねればいい!

僕はいつも通りに研究を放り出して君の機嫌をとるから!!

 

「シュナイゼル!!」

 

引きつった懇願にもとうとう彼は眼を空ける事無くその遺体は、狂った科学者からもぎとられ豪奢な棺に納められてしまった。

ただただ自失し主君の名を繰り返し呟く哀れな騎士から、誰もがそっと眼を背けた。

 

 

 

 

[43] 純血の囚われ人

2007/4/28 (Sat.) 21:23:09

 

逃れられはしないのだと知っている。

この身を幾重にも囲い抱いて締め付けるこの強固な赤い赤い糸。

私の意志、心でさえも操り思う様に踊らせる己を構成する細胞。

それは呪縛でもなんでもなく、私がその為に生み出されたというだけのこと。

だから哀しいと思うことは見当違いも甚だしく、そのように感ずる情動も持ち合わせないけれど、虚しくはある。

だから私の心は空ろであり、本当の私の意志というものは存在しない。

すべては国家の為であり皇統のためであり誇りのために。

私が私である必要は無い。

その中でたった一つだけ、私であるという証。

「ロイド。知らないだろう」

そっと瞼を閉じて、今ははるか遠くの空の下にいる男へと思いを馳せる。

「私はお前ただ一人だけによって存在して居るんだよ」

統べる国を思うのも同じ絆に繋がれた血族を思うのも宛がわれた妻を思うのもすべて決められた事、私ではなくてもかまわず、そのように出来ているだけのこと。

ただお前だけ。

同じ目的で作られた人形でもなく、その人形を作るために必要な生産機でもない、ただの臣民の一人でありいくらでも取り換えの利くお前を愛した。

「ただそれだけが、私なんだよ」

そういって、人の手によって産み出された純血の結晶は微笑んだ。

 

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私はいい加減あの方のもとへ出頭して土下座して謝罪したほうがいいんじゃないでしょうか。

日々無断で拝見するたびに脳内に奔流の如く湧き上がる萌えと衝動に任せて短文を量産しているこの無礼さ。

ホント美麗絵をけがしているようでいたたまれないんです。

しかしチキンで引きこもりな私は挨拶一つ出来ず…

しかしホントいい加減腹括らなきゃいけないよな・・・